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2007年12月 アーカイブ

2007年12月19日

標榜診療科の見直し…診療科の名前 分かりやすく

標榜診療科の見直し…診療科の名前 分かりやすく

 病院や診療所が看板に掲げて外部に表示できる診療科の名称は、医療法によって限定されています。これを「標榜(ひょうぼう)診療科」と言い、1948年の同法制定時に定められました。当初は16種類でしたが、徐々に追加され、現在は医科34、歯科4の合計38種類あります。

 しかし、体系的に増やしたわけではなく、「内科」など基本的な診療科と、「胃腸科」「リウマチ科」など専門分化した科が混在しており、「どこにかかればいいか分からない」などの声が上がっていました。

 そこで、厚生労働省は診療科の表記の仕方を見直し、来春から、二つのルールのもとで幅広く認めることにしました。

 一つは、「臓器や身体の部位」「症状・疾患」「患者の特性」「診療方法」を、内科、外科、歯科と組み合わせて、標榜診療科とすることができるようにします。

 例えば、乳がんなど乳腺の病気は外科医が診る病院が多いのですが、現状では「乳腺外科」を看板に掲げることは認められていませんでした。そのため、胸にしこりがあると感じても、どこに行けばいいか分からず、発見が遅れてしまう場合もありました。見直しで乳腺外科のほか、腎臓内科や糖尿病内科、腫瘍(しゅよう)内科などが可能になります。

 もう一つのルールは、外科、内科等との組み合わせが難しい診療科は、省令に列記して単独で名乗れるようにします。精神科や産婦人科などの従来の名称に加え、救急科や病理診断科等も認められる予定です。

 今後、様々な名称があふれて混乱しないよう、厚労省が具体的な名称例や表記方法を整理し、示すことにしています。

 こうした標榜診療科は、今まで通り、病院や診療所が都道府県などに届けるだけで、いくつでも自由に掲げられます。ただし厚生労働大臣の許可が必要な麻酔科は除きます。ただ今回の見直しで、診療所については「主とする診療科名」を設け、医師1人につき原則二つ以内、目立つように表記して他の科と区別できるようにします。しかし専門以外の科を名乗ることが可能なことには変わりありません。標榜診療科名と医師の専門性を関係づけ、さらに、患者に分かりやすくする必要もあるでしょう。

2007年12月27日

薬剤師数は25万2533人‐薬局勤務が10万人超える

厚生労働省統計情報部は、2年に1回行っている医師・歯科医師、薬剤師調査の2006年版を発表した。そのうち薬剤師については、06年12月31日現在で、2 年前より1万人以上増加(4.6%増)し、25万2533人。薬局で働く薬剤師が医薬分業の進展によってさらに増え、全体の半数の12万5254人に上った。

 薬剤師の性別内訳は、男9万8802人(04年比べ4.2%増)、女性15万3731人(4.9%増)で、人口10万人当たり197.6人となっている。

 年齢別では、例年の傾向通り「30~39歳」が全体の26.4%と最も多く、次いで「40~49歳」23.4%、「29歳以下」19.0%と続く。平均年齢は43.7歳だった。

 薬局や医療施設で働く薬剤師数は、全体の7割近い17万4218人(6.0%増)だった。うち病院・診療所で働く薬剤師は全体の19.4%の4万8964人(1.8%増)で、96年以降横ばい傾向なのに対し、薬局で働く薬剤師は増加傾向で12万5254人(同7.7%増)と、全体の49・6%に達した。開設や法人の代表者は443人減の1万9492人となる一方で、勤務者は9394人増え10万5762人と、10万人を超えた。

 年齢が上がるにつれ、薬局勤務者の割合が増加し、29歳以下は42.4%だが、40歳以上になると半数を超える。

 このほかの薬剤師の就業先としては、「大学の従事者」が8845人で前回に比べ799人増、「医薬品関係企業の従事者」は4万5415人で154人増、「衛生行政機関または保健衛生施設の従事者」が5951人で91人増だった。

 一方、全国の医師数は27万7927人(2.8%増)、歯科医師数は9万7198人(2.1%増)だった。医師不足が社会問題化しているが、統計情報部では小児科医が微増傾向、産婦人科医は減少傾向にあることを明らかにした。

 地域偏在が大きく、小児科医数は人口(15歳未満)10万人当たりで、最も多い徳島と少ない岩手県との差は2.5倍。産婦人科医・産科医数は、人口(15~49歳女子)10万人当たりで、最も多い鳥取県と少ない滋賀県で2.3倍の開きがあった。

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