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コレステロールに次ぐ「悪玉」

アテローム性動脈硬化において中心的役割を果たす化合物「アテロナール」が発見された。

 コレステロールはアテローム性動脈硬化を起こす血栓の原因となるが,血栓形成は血管壁の炎症によって助長されると考えられている。
 アメリカ,スクリップス研究所のウェントウォースJr.博士らは,外科手術で切除されたアテローム性動脈硬化組織15例を調べ,これらの組織はコレステロールがオゾンによって酸化された時に特有の化合物を含んでいることを示した。さらに,これらの組織に白血球活性剤を加えるとオゾンを生成することも分かった。この化合物とコレステロールを同時にマクロファージに加えると,マクロファージ内に脂肪滴が沈着したが,コレステロール単独ではそのような現象はおきなかった。
 博士らは,この化合物を「アテロナール」と命名した。血栓において炎症細胞から生じたオゾンがコレステロールを酸化してできたアテロナールが,細胞障害,マクロファージへの脂肪滴沈着,アポリポタンパクB-100の二次構造の崩壊といったアテローム性動脈硬化の病態に関して中心的な役割を果たしていると博士らは考えている

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2007年03月03日 22:57に投稿されたエントリーのページです。

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