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幹細胞から,始源生殖細胞と精子細胞をつくることに成功した

マウスの卵細胞と精子細胞は、胚発生の初期段階で体細胞と別れた始原生殖細胞群から分化したものである。始原生殖細胞は、初期胚の卵黄のうの血管系を形成する部位でもある近位原外胚葉由来である。培養実験において、胚の幹細胞は、初期胚に典型的な組織配列を備えた「胚様体」と呼ばれる袋状構造物に分化する。
 アメリカ,ホワイトヘッド生物医学研究所のゲイジュセン博士らは、生殖細胞に特有の遺伝子群の発現や細胞表面抗原、また培養液にレチノイン酸を加えると体細胞では分化が促されるが生殖細胞では増殖が促されるといったことを手がかりに、胚様体から始原生殖細胞を選んで分離した。さらに始原生殖細胞の特徴として、培養日数を経るに従って、Igf2r遺伝子とH19遺伝子上のある特定の部位のメチル化が失われることを示した。博士らはこの始原生殖細胞が、減数分裂を行って一倍体の精子細胞へと成熟することを示した。そのような細胞を卵細胞に注入すると、受精して、二倍体の染色体を形成して何度か卵分割を行うことがわかった。
 このように幹細胞から生殖細胞を分離する方法により、生殖発生の研究に有用な培養細胞モデルが作れると博士らは述べている。

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2007年04月29日 20:53に投稿されたエントリーのページです。

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